2025/03/05
先日、アメリカのトランプ大統領が、アメリカ国内で流通する「1セント硬貨」の製造に、2セント以上のコストがかかっているとして、新たな製造をやめる考えを明らかにしました。
少額硬貨の廃止や、流通を抑制する動きは、すでに世界各国で見られており、例えば、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどが一部の少額硬貨を廃止しているほか、ヨーロッパ各国においても、現金での支払いの際に端数を切り上げたり、切り下げたりする「ラウンド制」の導入や、キャッシュレス決済などにより廃止や抑制をしています。
キャッシュレスが進むこのご時世においては、こういった動きが今後も広がり、世界的な傾向になると考えられます。
日本では、1953年(昭和28年)に制定された「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」(いわゆる小額通貨整理法)により、1円未満の紙幣や貨幣発行が停止され、通用力を失いました。
そして、現在の最小貨幣である「1円貨幣(1円玉)」のゆくえが注目を集めていますが、実は、2016年以降、一般流通用の「1円玉」の製造はすでに停止されていて、主に貨幣セットなどのコレクション向けにのみ製造されています。
それでも、お財布の中で、かさばる存在として扱われてきた「1円玉」は、なんと150年もの歴史をもつ、最も時代の影響を受けてきたともいえる偉大な貨幣なのです。
その歴史を紐解けば、最初に発行された「1円玉」には、金貨と銀貨の2種類がありました。
「1円金貨」には、1.5gの金が含まれていて、江戸時代の1両と同等の価値がある高価な貨幣として扱われており、もう一方の「1円銀貨」は、外国との貿易支払い用として函館、神奈川、新潟、兵庫、長崎の5か所の開港場のみで使用されていました。
明治30(1897)年、貨幣法の制定により「1円金貨」と「1円銀貨」の廃止が決まり、太平洋戦争終了後の昭和23(1948)年には、黄銅製の「1円玉」の製造が開始されましたが、材料価格の値上がりにより、昭和25(1950)年には製造中止となりました。
しかし、1円が使えない生活は不便であるという理由から、再び製造計画が持ち上がり、2,500点を超える応募作の中から2点の図案が選ばれて、それぞれの案を片面ずつ採用し、現在流通しているアルミニウム製の「1円玉」が生まれました。
ちなみに、図柄(若木)の描かれている方が表で、数字で額面が描かれている方が裏です。
昭和30(1955)年から流通が始まり、消費税導入とバブル景気が重なった平成2(1990)年には、製造枚数が過去最高の27億6,895万3,000枚を記録して、貨幣の製造が追いつかずに、多くの造幣局職員が残業していたそうです。
さて、現在、一般流通用の「1円玉」の製造はすでに停止されていますので、廃止になる(抑制される)前に、プレミアムな「1円玉」を探しておくといいかもしれません。
金、銀、黄銅製の「1円玉」がプレミアムであることは間違いないですが、アルミニウム製の中にもプレミアムな「1円玉」があります。
平成23年、24年、25年、28年、29年、30年は、製造枚数が少ないことから、そして、平成31年と令和元年(今上天皇陛下のご譲位の年)も月数が少ないことからプレミアムな「1円玉」とされています。
今後、「1円玉」を手にした際は、製造年数をチェックしてみてくださいね!
お問い合わせは、ホームページ「お問い合わせ」から、お気軽にお声がけください。
「1円玉」の廃止によって、「一円を笑う者は一円に泣く」という戒めまで薄れてしまうのは、とても残念です。
[ Room Turn Blue ~ ルームターンブルー ~ ]
臨床心理士 / 公認心理師 / キャリアコンサルタント / CEAP / EAPコンサルタント / CBT Therapist®︎ / CBT Professional(EAP) / CBT
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