認知行動療法の基礎知識②(基礎概念とエビデンス)

第2回目は、認知行動療法の基礎概念、つまり「認知行動療法ってなに?」というお話から効果に関するお話に触れたいと思います。

『認知行動療法』という名称は有名ですが、実は「認知と行動をターゲットとして各種症状の治療的介入を行おうとする心理療法の総称」なのです。

すなわち、いくつかの心理療法がこの『認知行動療法』に含まれていて、代表的な心理療法としては「認知療法」「論理療法」「問題解決訓練」「ソーシャルスキル・トレーニング」「行動療法」などがあり、クライエント様の問題に合わせて使い分けたり、組み合わせて使うことになります。

さて、そもそも「心理療法やカウンセリングは効果があるの?」という疑問が浮かびますが、1990年頃から欧米では「エビデンス(実証)に基づく実践」が重視されるようになりました。その動きは医療全体におよんで、エビデンスに基づく臨床心理学や、エビデンスに基づく心理療法、カウンセリングといった動きが出てきました。

エビデンスとは、医療において、ある治療法がある病気・怪我・症状に対して、効果があることを示す証拠や検証結果・臨床結果の情報のことを指しており、どの治療法がより安全で、より効果的かを選ぶ際に、「確率的な情報」として利用されています。

このエビデンスに基づく実践の動きの中で注目されるようになったのが『認知行動療法』です。

認知行動療法は、治療効果を実証的に確かめながら技法を開発し、効果の明らかな技法だけを用いようとする考えが強く、欧米の心理療法のガイドラインには認知行動療法の技法が多く取り入れられています。

ちなみに、アメリカ心理学会のエビデンス情報は以下のとおりとなっています(日本の医療は治療成績を出しませんのでエビデンスはありません)。

【 うつ病 】 認知療法、行動療法、認知行動療法、ACT、問題解決療法

【双極性障害】 認知療法

【統合失調症】 ソーシャルスキルズトレーニング、認知行動療法

【パニック障害】 認知行動療法

【社交不安障害】 認知行動療法

【全般性不安障害】 認知行動療法

【特定恐怖症】 曝露療法

【心的外傷後ストレス障害】 長時間曝露療法、認知プロセス療法、EMDR

【摂食障害】 認知行動療法

【依存症、嗜癖】 動機づけ面接+認知行動療法

【 不眠症 】 認知行動療法

【疼痛性障害】 認知行動療法、ACT

 

ここで注意したいことは、たとえ同じような病名であっても、状態や背景はクライエントお一人様、お一人様で違いますので、上記の心理療法が最も合っているということではありません。

したがいまして、ルームターンブルーでは、クライエント様をきちんと分析・理解させていただいた上でそれを共有し、お一人様、お一人様に合わせた治療プランをご説明させていただいております。

また、治療者(セラピスト・カウンセラー)自身が、きちんとトレーニングを受けた方なのかどうかを見極めないと、認知行動療法の真似事をしていても、その効果は現れないでしょう。

時々、「認知行動療法は難しい」とか「認知行動療法は自分に合っていなかった」というクライエント様のお話を聴くことがありますが、よく聴くとクライエント様にペーパーをやらせるだけなど、認知行動療法まがいのカウンセリングをお受けになっていることが意外に多いことに驚きます。

ルームターンブルーでは、きちんとトレーニングを受けたスタッフが対応いたしますので、安心してご相談ください。