マミートラック ~ 時短勤務は迷惑? ~

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マミートラック ~ 時短勤務は迷惑? ~

近年では、政府主導で大企業を中心に、女性が活躍しやすい環境づくりが奨励されてきましたが、子育てと仕事の両立に関して「マミートラック」といわれる問題が生じています。

この「マミートラック」という言葉は、英語の「mommy(母)」と「track(競技用のトラック)」からなる造語です。

女性が産休・育休から復職すると、自分の意思とは関係なく出世ルートから外され、「時短勤務」を理由に適正な評価がなされない事象を意味しますが、もともとはポジティブな意味合いで用いられていました。

1988年、アメリカのNPOカタリスト初代代表のフェリス・シュワルツが、女性の働き方を「キャリア優先型」と「キャリアと家庭の両立型」に分けて、「両立型」を望む労働者に対して育児休業などの支援策を整えるよう提案し、これを取り上げたジャーナリストが前者を「キャリアトラック」後者を「マミートラック」と名付けたことが由来です。

しかし、「マミートラック」は、表面的には仕事と育児の両立ができても、現実的には昇進や昇格からは縁遠いキャリアコースであり、現代では「子育てを理由に出世コースから外される女性」というネガティブな意味合いで使われるようになりました。

育児支援としては「育児・介護休業法」により3歳に満たない子を養育する労働者に対して「短時間勤務制度」の設置が義務化されました。

さらに「育児時短就業給付」によって2歳未満の子どもを養育するために「時短勤務」をした場合に、「時短勤務前の賃金の約10%」が支給されるようになりました。

勤務時間を軽減して、それによって減る給与分を補填するという考えですが、「マミートラック」問題はそれだけでは解決できません。

一方で、時短勤務者の周囲もまた、時短勤務者のフォローに疲弊している問題があります。

メンバーの誰かが時短勤務になっても、全体として抱えている業務量が減るわけではありませんので、当然、チームとしてそのしわ寄せがきます。

ときに、時短勤務者が子どもの急病などに対応することになれば、周囲の者はさらなる業務を担わなければならず、サポートする側ばかりに負荷がかかって、その評価もされないという状況の中で周囲の不満は募り、不公平感を抱くのは当然といえます。

時短勤務者は周囲に対して「迷惑をかけている」と思いながら働いているし、対する周囲は時短勤務者に対して「迷惑だ」と感じながら働いていれば、当然企業全体としての生産性は低下してしまい、これではせっかくの「時短勤務」が迷惑な制度になってしまいます。

このようにサポートする側とされる側との間にひずみが生じてしまうのは、「時短勤務」のしわ寄せの解消を個人の自己努力で解決させていることにあります。

さまざまな不満を解消するために、管理者とメンバーがコミュニケーションを取り、時短勤務者と周囲の両方への配慮を行いながら、現状への対応策を講じる必要があります。

労働者のモチベーションの低下や働きがいの喪失、キャリア形成機会への悪影響から生産性が低下し、さらに離職率が高まるなど、企業においてはコストダウンとなる問題として、早期に対策を講じるべき問題といえます。

お問い合わせは、ホームページ「お問い合わせ」から、お気軽にお声がけください。

ちなみに、時短勤務制度は女性のための制度ではなく、要件に当てはまれば男女どちらでも利用できますし、夫婦そろって時短勤務を選ぶこともできますので、夫婦間の分担も見直すことが大切です。


[ Room Turn Blue ~ ルームターンブルー ~ ]
臨床心理士 / 公認心理師 / キャリアコンサルタント / CEAP / EAPコンサルタント / CBT Therapist®︎ / CBT Professional(EAP) / CBT Extra Professional ®︎

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